どんぐり発達支援寒川が開所した令和2年の5月というと、
ちょうどコロナで、保育は自粛が始まって……という時期と重なります。
その月は静かに始まり、
あの時のワークは折り紙でネコを何匹も作り出していた子どもの姿と、
ちょっと曲がったネコの耳と、はみ出そうに描いていたネコのお顔も思い出します。
そのお子さんは1年生になったので、この春どんぐりは卒所しました。
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2年目の後半くらいから、寒川町と茅ケ崎市の関係各所に月のおたよりをメールで配信させていただくようになりました。
どんぐりでの様子を見てもらいたいなあという思いから、
少しでも紙面で療育の様子が伝わればと願っておりますが、
どんぐりの療育や目指すところ、根っこのような土台のような部分で本当に見て欲しいのは、『どんぐりファイル』だとも思っています。
『どんぐりファイル』とは、
どんぐりへの通所日のお子さんの様子を日々記録し、月のまとめとして6つの項目ごとに評価し、
そのシートを綴じているピンク色のファイルのことを言っています。
中のシートのことは、どんぐりシートと呼んでいます。
どんぐりシートのコンセプトは、東京都小金井市の『さくらシート』を参考にさせていただいています。
さくらシートとは、
『生育歴や今まで受けてきた支援の内容を、「さくらシート」を使って記録し、関係機関の方々に伝えることで、ご本人が一貫した継続的な支援を受ける手助けとなります。医療機関や保育園・幼稚園・学校など、様々な関係機関を利用する際にご活用ください』というコンセプトで、保護者が持つものとされています。
私はまだ会社員だった当時、このさくらシートをある保護者に見せてもらったことがあります。
「これなんですか?」と尋ねると、コンセプト通りの答えが返ってきました。
あの頃どんぐりを開所するとは夢にも思っていなかったのですが、このさくらシートはとても印象に残っており、今に至ります。
どんぐりファイルは、保護者にお渡ししたあとは活用をお任せしています。
在籍園に毎月見せているというご家庭、
新入園の前に渡していたというご家庭、
発達に関する受診のときに、医療機関に参考にしてもらったというご家庭、
私たちの想像を超えて広く活用され、嬉しく思っています。
そして、新1年生。
どんぐりを出て新しく放課後等デイサービスに通うことになり、そこでもどんぐりファイルが活きているというお話を聞きました。
私たちが持っていて、私たちが提供の主になると、個人情報の壁が超えられません。
福祉と教育の壁も高くて、なかなか超えられません。
活きた記録をサポートツールにしてもらうには、シンプルに保護者に管理していただくのがいちばん。
そのために、
日々の記録とまとめは、職員間で時間をかけて振り返り、
フラットに今の育ちを見つめて、責任感を持って丁寧に書いています。
ここを離れたらもうひとり立ちしていく記録ですから、
職員も毎回力が入ります。
子育ては誰しも、悩まない子育ては無いですね。
でもそこに第三者が、こうして客観的に我が子を見てくれて記録に落としてくれる。
それが子育てのサポートツールにならないはずがない。と、思います。
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上手に活用してくださって、ありがとう。
今後なのですが、
今は市販のファイルにテプラで貼った『どんぐりファイル』の表紙を、
いつかもっと価値を認めてもらって、デザインとかしてもらって、カッコよくしてもらって保護者に配るのが夢です。
そう言い続けて丸2年が経ちまして、5月からはどんぐり3年目に入ります。
ということで、
3年目からもよろしくお願いします。