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寒川、大神塚の椿の木

確かに、

私の気に入りの物語の中には、椿の木に”登って”下を見るシーンがあります。

『この椿の枝が折れたら恐ろしいことになる…』と、物語の中では語られていて、

下は崖、

でも『こんなものであったか』と意外だったと、大人になってから同じ場所を訪れた視点で、お話は続いていきます。

”こんなに狭かった?”とか、”こんなに低かった?”とか、はてこんなに小さかったっけと感じることは時々あります。子どものころ遊んでいた場所に対して。

さて、コトビラの散歩です。安楽寺から入って大神塚のお山へ。

階段下の椿の、落ちた花とつぼみを拾って遊びに登ります。

「おはようー」

お皿の中には、道々摘んだつくしも入っています。

どんどんどんどん。

小枝がいっぱい、石碑の裏から差し出されてきます。

なんだか、

見えるのは、小さい、

小さいかみさまたちの手。

こちらもどうぞ。

石碑の向こう側はまあまあな高さの崖で、真下では今、発掘調査が行われています。

縦にピタッと掘られた深い穴は、とても魅力です。

はたして、

”登れるほどの椿の大木”なんて、かつての想像でしか見えてなかった物語の中の世界が、

”ほんとにこれなら登れるかも”と思えるサイズの大きな椿が、安楽寺には有ります。

確かに、

子どもたちにとっては恐ろしいかもしれないこのお山の斜面や、足下の崖、

そんなことも含めてみんなの思い出になればいいな、と思いながら、通っています。

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