保育雑誌『エデュカーレ』は、全国の家庭的保育者が多く購読している月刊の良誌です。7月号に自然素材として、光の活動が魅惑であるという遊びの事例が取り上げられていました。そしてコトビラの保育計画のなかでも、夏ならではの遊びを楽しむモチーフとして正に「光と影」をおいており、ご紹介します。
6月も前半の暑さくらいまでは、子どもたちとも徒歩でC公園に行くことができました。公園の桜の木の下はいつも日影で、行けば「すずしいね」だからです。風の日は芝生まで吹き抜けて「(わーっ)きもちいいね」も加わります。湧き水もあるしね。
日影のすぐ横にあるすべり台。滑りに行こう、やりたくなるね、けれどともかくカンカン照りの下なのでまずは確認にいきます。5人いればタイミングは様々ですが、その都度同じように付き添います。子どもの人数に対して、保育士は4~3名体制で整えています。
ステンレス、プラスチック、トンネルの3種類のすべり台、すべってお尻が熱くならないかと手のひらでチェックします。ここですごいのは、もうみんな無暗に手のひらをベッタリつけないこと。熱かったらちょっとたいへん! というのを、季節の巡りとともに学んだのですね。保育者が話す、「ここはどうかな」 「ちょっとあつい、あ、ぬるいかな」 「あつくはないかな、あったかいかんじ」という言葉も、本当に良く聞いています。いちばん熱そうな銀色が実はいちばん大丈夫ということも、見た目で覚えていきます。
いつだったか、
初めて「まぶしいね!」を子どもが発し、その場にいた全員の視線をワァッと空に向かわせたのは秀逸でした。この「光と影」をねらいにしてから、子どもたちの表現する様々な内容が、ふっくら感を増してきたことを実感しています。受け手の保育士の意識がアップしたことも大きい。形取れないもの、刻々と変化があるもの、一定でないからこそパッと伝えて共有出来れば楽しい、そのようなところにつなげていければと思っています。幼い感性、小さなことからの積み重ねです、日々。 (新)